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前立腺肥大症の鍼灸に出来る事

  • 執筆者の写真: tatsuro mizukami
    tatsuro mizukami
  • 6月24日
  • 読了時間: 5分

更新日:6月26日

中年以降の男性に多くみられる『前立腺肥大症』についてその症状や、原因、鍼灸にできることを記します。


前立腺肥大症の男性



前立腺肥大症とは


男性の尿道周囲にある前立腺が歳をとるにつれてだんだん大きくなり、尿道を圧迫して尿が出にくくなるなどの症状が現れる病気が前立腺肥大症(Benign Prostatic Hyperplasia)です。




前立腺肥大症の症状


残尿感

おしっこをした後に、まだおしっこが残っている感じがしてスッキリしない。


尿漏れ

おしっこをした後に、しばらくしておしっこが出てきて下着を濡らしてしまう。


頻尿

昼間の起きている時にすぐにトイレに行きたくなる昼間頻尿と夜間におしっこに行きたくなって目が覚めてしまう夜間頻尿があります。


切迫尿

おしっこがしたい「尿意」が通常よりも強く、我慢できない。


しぶり尿

排尿中におしっこが途切れたり、おしっこの勢いが弱かったり、排尿に通常よりも時間とお腹の力を要する状態


尿閉

膀胱内におしっこが溜まっているのに、おしっこが出ない状態。緊急の対応が必要です。



前立腺肥大症の原因


通常はくるみ大の前立腺が、みかんくらいの大きさになる前立腺肥大症。現在、前立腺が肥大するプロセスは完全にはわかっていません。しかし影響を与える要因はいくつかわかっています。


  1. 加齢

    前立腺は加齢に伴い大きくなる傾向があり、特に50代以降にその傾向が高くなります。



  2. 男性ホルモン

    主にテストステロン等の男性ホルモンの変化が影響していると言われています。


  3. 遺伝的要因

    遺伝的要因も指摘されています。父や祖父に前立腺肥大が見られる場合は注意した方がいいでしょう。


  4. 生活習慣

    肥満、高血圧、糖尿病の生活習慣病も前立腺肥大との関連があると言われています。

    喫煙やお酒などの影響も指摘されていますが明確になっていません。



前立腺肥大症かなと思ったら


50代の男性の50%、60代で60%の方に前立腺に肥大が見られるとも言われています。

ただ、肥大があるからといってイコール症状があるわけではないので実際にはもう少し少ないと思いますが、それでもとても多くの方がこの病気で悩んでいます。

あなたが上記の様な頻尿や尿漏れなどの症状があり「もしかして、前立腺肥大症かも」と思ったら、まずは必ず泌尿器科などの医療機関で診察を受けましょう。※尿閉がある場合は緊急性が高いので速やかに受診しましょう。


前立腺癌や前立腺炎、膀胱炎などでも同様の症状が出ることがありますので、それらの疾患ではないとはっきりさせることがまずは一番大切です。


泌尿器科では通常、超音波検査、血液検査、直腸診などがおこなわれ、比較的症状が軽い場合には薬物療法。症状が重い場合には外科的治療が行われます。



ストレッチをする女性
自分で出来る対処法

※ここで記す自分で出来る対処法は全ての人が必ず良くなるとは限りません。まずは少しずつ行ってみて、症状が悪化するようならやめましょう。少しでも良くなる、楽になるという実感が感じられるなら継続して行う事で少しずつ症状が緩和されていきます。



対処法その1 - 温める


日頃から入浴などで体を温めて、血流を促進することで筋肉に酸素や栄養素を送り込み、老廃物を排出する事ができます。


対処法その2 - ストレッチ


痛いところの筋肉や、関連性のある筋肉を気持ちよく伸ばすストレッチも改善には有効な事が多いです。ただ、動かす事で激痛が走るような場合はやらない方が良いので、注意が必要です。



対処法その3 -食事


バランスの良い食事はどんな病気にも有効です。筋肉疲労も原因の一つになりえます。食事を見直すことで筋肉疲労を改善させましょう。特にビタミンB群の摂取が疲労回復には効果的です。またヨーグルトや納豆などの発酵食品は胃腸の機能を改善させます。胃腸の機能を改善する事で自律神経が整い症状の改善が期待できます。



対処法その4 -瞑想


瞑想やマインドフルネスも自律神経を整えるのに効果的です。「呼吸」や「今」に意識を集中することで、不安を緩和する事が期待できます。


対処法その5 -習慣の改善


朝早く起きて太陽を浴びたり、夜ちゃんと眠れる静かで暗い環境を整えたり、習慣や環境を整えることは自律神経の働きを正常に戻します。もしあなたが気の休まらない瞬間や人に悩んでいるなら、それから距離を置く事も大事かもしれません。



対処法その6 -考え方の改善


強い執着やこだわりはストレスの素です。考え方や物事の捉え方ひとつでストレスがすっと消えることもあります。もちろん簡単な事ではありませんが、病院などの専門機関では認知行動療法も行っています。専門家のカウンセリングを受けることも助けになるかもしれません.


鍼灸マッサージに出来る事

鍼灸治療では比較的軽い前立腺肥大症の症状の改善に効果が期待できます。

ただし鍼灸治療では前立腺自体大きさを小さくすることはあまり期待できませんので、外科的治療の適応の方にはお勧めできません。

頻尿や渋り尿などの症状でお悩みの方で薬物療法であまり症状が改善しない方や、薬の副作用が気になる方は鍼灸の施術も試してみるといいと思います。


初期の前立腺肥大症の症状には陰部神経刺針が効果的だと思います。当院でも多くの方が改善を実感していますので是非お試しください。

また鍼灸は東洋医学という病院とは違う病気の捉え方をしていて、病院では原因不明でも東洋医学では原因を捉えられることもあるかもしれません。


鍼灸やマッサージで血流を改善し、自律神経を整えることでホルモンバランスの改善も期待できます。


それぞれの状態にあったストレッチのやり方や、姿勢のポイントをアドバイスする事も可能です。




私は鍼灸マッサージと日々のセルフケアを組み合わせて対処する事が初期の前立腺肥大症には最も有効な治療法だと思っています。「前立腺肥大症」でお悩みの方は鍼灸マッサージをご検討ください。




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