日本人の国民病とも言える『肩こり』。首から肩にかけて重だるいような痛みを長い間抱えている方も多いと思います。その対処法と鍼灸やマッサージで出来ることをお伝えします。
肩こりとは
肩こりとは、首や肩の筋肉が過度に緊張して硬くなっている状態のことです。
血流が悪くなることで疲労物質が溜まり、痛みや重だるさ、痺れなどが引き起こされます。
肩こりの原因
肩こりの直接的な原因は、肩周りの筋肉の疲労と血行不良です。筋肉には、収縮することで血流を促すポンプ作用があり、それを阻害されると酸素や疲労物質の運搬に問題を生じます。
筋肉の疲労と血行不良を起こす主な要因には下記のようなものがあります。
長時間の同じ姿勢
仕事や車や飛行機など、長時間同じ姿勢で動かないことで筋肉が緊張してしまいます。
予防策
30分に1回程度軽く首や肩を動かして筋肉を柔らかくしましょう。
眼精疲労
スマホやパソコン作業などで目を過剰に使うことで目の周囲の筋肉が緊張し、それが首や肩に広がっていきます。
予防策
ときどき目を休ませる事が大切です。1〜2分間目を閉じてこめかみをマッサージしたり、手のひらで軽く瞼を圧迫するのも効果的です。
運動不足
運動不足とは筋肉の収縮が少ない状態なので、筋肉のポンプ作用が足りず、血流が悪くなります。
予防策
無理のない運動の習慣をつけましょう。
ストレス
過度な精神的なストレスも血管を収縮させ、血流を悪くします。
予防策
好きなことやリラックスできることをやりましょう。
悪い姿勢
猫背などの悪い姿勢は頭を支える首や肩に過度の緊張を引き起こします。
予防策
姿勢の矯正には1にも2にも意識です。最初は辛いかもしれませんが肩のの力を抜き顎を引いて頭を胴体の上に置くようにすると、筋肉の負担が減り、過度な緊張が起こりづらくなります。
危険な肩こり
最後に示すのは、さまざまな病気の初期症状として出てくる危険な肩こりです。
例えば、片頭痛、肝臓疾患、解離性動脈瘤、胆石症、脳出血、悪性腫瘍、心身症、うつなどの兆候として肩こりが現れる事があり、放っておくと重篤な症状になることもあります。
特徴としては、今まで肩こりを感じたことのない人が急に強い肩こりを感じるようになったり、めまい、吐き気、視覚障害を伴う場合や、軽い運動をすると痛む場合などがありますが、少しでも不安のある方は病院をを受診しましょう。
自分で出来る対処法
※自分で出来る対処法を行う前に自分の肩こりは何が原因なのかを知る事が大切です。わからない場合は病院や鍼灸院などの専門家に相談することをお勧めします。
対処法その1 - 温める
日頃から入浴などで体を温めて、血流を促進することで筋肉に酸素や栄養素を送り込み、老廃物を排出する事ができます。
対処法その2 - ストレッチ
痛いところの筋肉や、関連性のある筋肉を気持ちよく伸ばすストレッチも肩こり改善には有効な事が多いです。ただ、動かす事で激痛が走るような場合はやらない方が良いので、注意が必要です。
対処法その3 -食事
筋肉疲労も肩こりの原因になります。食事を見直すことで筋肉疲労を改善させましょう。特にビタミンB群の摂取が疲労回復には効果的です。
対処法その4 -姿勢の改善
姿勢を改善することで、神経の通り道を広げられれば症状が改善します。良い姿勢が判らない場合は専門家に相談しましょう。
鍼灸マッサージに出来る事
まず肩こりを改善するのに大事なことはその状態の鑑別です。状態によってはすぐに病院に行った方が良い場合もあります。経験のある鍼灸師ならその場合もすぐに分かりますので、大丈夫です。
また逆に病院の治療を受けたけどあまり良くならないという方も多いと思います。その場合は是非一度ご相談ください、鍼灸やマッサージで改善することは多くあります。
鍼灸マッサージの現場では肩こりは非常に良くある疾患ですので、それぞれの状態にあったストレッチのやり方や、姿勢のポイントをアドバイスする事ができます。
鍼灸やマッサージには筋肉の緊張をゆるめて、血流を改善する効果があります。
全体を診て施術を行いますので、自分でも気づかない本当の原因にアプローチする事が可能です。
βエンドルフィンの分泌を促す、リラクゼーション効果も鍼灸マッサージには期待できます。
鍼灸マッサージと日々のセルフケアを組み合わせて対処する事が肩こりには効果的です。「肩こり」でお悩みの方は鍼灸マッサージをご検討ください。
Comments