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​適応疾患
ぎっくり腰

ぎっくり腰

突然襲われる激しい痛み。恐怖の魔女の一撃。

『ぎっくり腰』​その対処法から予防まで。

ぎっくり腰とは

ぎっくり腰とは筋肉、筋膜、椎間関節、仙腸関節などに傷(炎症)ができ、激しい痛みを起こしている状態です。瞬間的に歩く事もままならないほどの激しい痛みに襲われます。

​傷(炎症)は時間が経てば自然治癒するため、放っておいても1週間ぐらいで痛みは無くなるのが普通です。

ぎっくり腰は治療院で治せるのか

このホームページをご覧になっている方のほとんどは、まずこの疑問があるのではないでしょうか。『ぎっくり腰は治療院で良くなるのか?』

結論から言うと当院に来るぎっくり腰の患者さんの約90%は改善します。そして約半数の人は普通に歩いて帰れるくらいにはなっています。しかし、ある程度コツというか経験が必要な疾患でもあるので、あまり経験が無い治療院に行くくらいなら安静にした方が賢明な場合もあります。

『ぎっくり腰を一発で治す』は本当?

インターネットを検索すると『ぎっくり腰を1発で治す』などの言葉を見ることがあります。しかし、上にも書いた様にぎっくり腰は傷です。皮膚に出来た切り傷や擦り傷を想像して下さい。身体に鍼をしようがマッサージをしようが整体をしようがその傷が一瞬でなくなる事は絶対にありません。傷は血液やリンパ液を媒介とした自然治癒力により時間をかけて治るのです。

しかし『ぎっくり腰を一発で治す』が嘘かというとそうではありません。

ぎっくり腰の症状とは当たり前ですが『痛み』です。傷は治るのに時間がかかりますが、『痛み』は取り去る事が出来るのです。次にぎっくり腰の『痛み』の本当の原因を説明します。

ぎっくり腰の『痛み』の本当の原因

ぎっくり腰には、必ず『楽な姿勢』が存在します。動かずにその姿勢をしていれば痛みをほぼ感じないですむ姿勢です。でも不思議です、傷があるのになぜ痛くないのでしょう。実は傷というのは痛くないのです。思い出して下さい、転んで膝に出来た擦り傷も何もしなければ痛みはそれほどではありません。傷はそれが出来る瞬間とそこに何かの刺激が加わった時に激しく痛むのです。

治療するべきは『筋肉のロック』

ぎっくり腰の治療においてのポイントは筋肉の過緊張を解く事です。ぎっくり腰になる方は冷えや過労、悪い姿勢などで腰回りの筋肉が硬くなっています。もともと硬い上に部分的に傷が出来ると反射的に全身の筋肉に信号が送られ筋肉は更に硬直し過緊張を起こします。これが『筋肉のロック』です。この『筋肉のロック』状態になると少しの動きに傷(患部)が刺激され、激痛が走るのです。

まとめ

​ぎっくり腰の傷(炎症)はすぐには治らないが、筋肉の過緊張(ロック)を緩める事で痛みを軽減し可動範囲を広げ、歩く事が出来るようになる。

ぎっくり腰になったら

ぎっくり腰は基本的に初期の症状が強い割に予後が良好な疾患です。安静にしていれば長くても1週間ぐらいでほとんど痛みは無くなるでしょう。しかし、仕事や家事などでまだ痛いにもかかわらず無理をするとなかなか治らず、慢性腰痛になったり、ぎっくり腰を再び起こしたりしてしまいます。ぎっくり腰は筋肉か筋膜、または関節に傷が出来ている状態なのでとにかく安静が一番大切です。

自分で出来るぎっくり腰を早く治す方法

以下にぎっくり腰を早く治す為の体操を書きますが、これを行なうにあたっての前提があります。それは

痛い所は動かさない、そして痛くない所は動かす。

という事です。

ぎっくり腰というのは痛みの震源地には必ず傷があり、そこを動かす事は症状を悪化させてしまう可能性があります。しかしじっとしているだけではガチガチにロックされた筋肉の血流は改善しませんし、治るのも遅くなってしまいます。そこで足首や首、肩甲骨などの腰からは遠い筋肉を動かす事が重要です。

つまり動かして痛みのでない筋肉や関節を少しずつ動かして筋肉のロックを解いていく事が治る近道なのです。

1 足と手の指のグーパー

まずは一番末端の指の運動をしてみましょう。その際痛みが出ない範囲で行ないましょう。

 

2 手首足首のぐるぐる

手首足首をぐるぐる回しましょう。その際痛みが出ない範囲で行ないましょう。

 

3 肩甲骨のぐるぐる

肩甲骨をぐるぐる回しましょう。その際痛みが出ない範囲で行ないましょう。

 

4 首の運動

首を前後左右に倒して動かしましょう。その際痛みが出ない範囲で行ないましょう。

 

5 膝たおし

仰向けに寝て両膝を立てゆっくり左右に倒しましょう。その際痛みが出ない範囲で行ないましょう。

 

6 大腰筋のばし

うつ伏せになり、肘をついて少し上体を反らしてみましょう。その際痛みが出ない範囲で行ないましょう。

これらの運動を少しずつ行なう事により筋肉のロックが外れ、血流が改善され、治りが早くなります。

温めた方が良いの?冷やした方が良いの?

​これは医師や治療家によって見解が分かれるところですが、結論から言うと私は温める方が良いと考えています。それは筋肉の緊張をとり、血流を改善する事がぎっくり腰の治癒を早めてくれるからです。冷やした方が良いという方はおそらく『ぎっくり腰は腰の捻挫。足の捻挫は冷やすんだからぎっくり腰も冷やした方が良い』と考えていると思います(私もそうでした)が、実際は温めて痛みが増す様な事は僕の経験上まったくありません。お風呂も良いと思います。

ぎっくり腰の分類

当院で診るぎっくり腰には大きく3種類のタイプがあります。

​大腰筋タイプ

前屈みで来院され、腰をまっすぐに伸ばそうとすると痛みが出るタイプ。

脊柱起立筋タイプ

直立不動で腰を前にも後ろにも倒せない、主に胸腰椎移行部に痛みが出るタイプ。

腰方形筋タイプ

​上半身を左右どちらかに倒して来院され、まっすぐにしようとすると痛みが出るタイプ。

症例1

主訴      急性腰痛  年齢 17  性別 男性

症状  ダンスをしていて急に右腰に痛み

治療歴 特になし

治療経過

急性の腰痛の典型的状態

1回目=腹部の筋肉の過緊張をとると痛みは半減した。

     若いので回復も早いと思う。柔軟の仕方を指導して終了。

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