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下痢に鍼灸マッサージができること

執筆者の写真: tatsuro mizukami
tatsuro mizukami
15 時間前
読了時間: 4分

はじめに

下痢は、便がやわらかくなったり、水分の多い便が何度も出たりする状態です。食べ過ぎや冷え、疲労、緊張など、日々の体調変化をきっかけに起こることがあります。東洋医学では、下痢を単に腸だけの問題として見るのではなく、消化吸収を担う「脾(ひ)」と「胃」の働き、身体にたまった余分な水分、冷え、そして心身のストレスなどを総合的に捉えます。この記事では、下痢に対して鍼灸マッサージができることを、東洋医学の考え方を中心にご紹介します。

下痢の人

東洋医学で考える「脾」と下痢

東洋医学でいう脾は、食べ物から身体に必要な気や血をつくり、全身へ運ぶ働きを担うと考えられています。脾の働きが弱ると、食べ物や水分をうまく運化できず、身体に余分な水分が残りやすくなります。その結果、便がまとまらない、食後にお腹が張る、疲れやすい、むくみやすいといった変化が現れることがあります。


特に、冷たい飲食物のとり過ぎ、食事時間の乱れ、過労、睡眠不足などは、脾胃に負担をかける要因と考えられます。下痢を繰り返す方は、便の状態だけでなく、食欲、冷え、疲れやすさ、舌の状態なども含めて体質を見ていくことが大切です。



下痢の代表的な東洋医学的タイプ

脾気虚(ひききょ)タイプ

疲れやすく、食欲が落ちやすい方に見られます。食後にお腹が張る、便がまとまらない、朝に下痢をしやすいなどが特徴です。身体を休め、脾胃をいたわることが重要です。


脾陽虚・寒湿(ひようきょ・かんしつ)タイプ

お腹や手足の冷えがあり、温めると楽になる下痢では、冷えと湿気が関係していると考えます。冷たい飲み物や生ものを控え、お腹を冷やさないことが養生になります。


肝脾不和(かんぴふわ)タイプ

緊張や怒り、心配ごとがあると下痢になりやすい場合です。東洋医学では、ストレスなどによる肝の乱れが脾の働きに影響すると考えます。呼吸をゆっくり整え、身体の緊張をゆるめることも大切です。



鍼灸でできること

鍼灸では、腹部の症状だけでなく、冷え、疲れ、睡眠、食欲、ストレス、舌や脈の状態などを確認し、その方の体質と症状に合う施術を考えます。


脾気虚が考えられる場合は、足三里、脾俞、足太陰脾経に関係するツボなどを用い、消化吸収を支える力を整えることを目指します。冷えが強い場合には、せんねん灸などのお灸を取り入れ、身体を温めて脾胃の働きを助けます。ストレスが関係している場合は、手足や背中のツボを使い、気の巡りを整えながら心身の緊張をゆるめます。


施術の刺激量は、症状の強さや体力に合わせて調整し、急性の症状が強いときには、強い刺激を避け、休息を妨げないやさしい施術を行います。



マッサージでできること

マッサージでは、腹部を強く押すのではなく、腰や背中、骨盤まわり、脚などをやさしくほぐします。東洋医学では、背中には内臓の働きと関係する兪穴があると考えられており、背部を温めてゆるめることは、脾胃を含む全身の調整につながると捉えます。


また、呼吸が浅く身体がこわばっている方には、肩甲骨まわりや胸郭をゆるめる施術を行います。心身の緊張が和らぎ、休息しやすい状態をつくることも、回復を支える大切な要素です。腹痛や下痢が強いときは、腹部への直接的な刺激を控え、その日の体調に合わせます。



日常でできる養生

下痢のときは、水分を少量ずつこまめに補給しましょう。食事は無理をせず、消化しやすいものを温かい状態で少しずつとります。冷たい飲み物、生もの、脂っこい料理、アルコール、刺激の強い香辛料は、症状が落ち着くまで控えるのがおすすめです。


お腹や腰を冷やさない、睡眠時間を確保する、食事を急がずよく噛むことも脾胃を守る養生になります。ストレスで症状が出やすい方は、ゆっくり息を吐く呼吸や、短時間の散歩など、気を巡らせる習慣を取り入れてみましょう。



鍼灸マッサージより医療機関を優先する場合

鍼灸マッサージは、下痢の原因を診断したり、感染症などを治療したりするものではありません。発熱、血便、強い腹痛、繰り返す嘔吐、意識がぼんやりする、尿が極端に少ないなどの症状がある場合は、施術よりも医療機関への相談を優先してください。乳幼児、高齢者、妊娠中の方、持病や服薬がある方も、早めに医師へご相談ください。症状が長引く場合や何度も繰り返す場合も、自己判断で済ませず、原因を確認することが大切です。



まとめ

東洋医学では、下痢を「脾胃の働き」「冷えや湿気」「気の巡り」「体力の低下」などが関係する身体からのサインとして捉えます。鍼灸マッサージでは、便の状態だけでなく、冷え、疲労、食欲、睡眠、ストレス、舌や脈などを総合的に確認し、その方の体質に合わせて施術します。


下痢を繰り返している方、冷えや疲れとともにお腹の調子を崩しやすい方は、現在の状態をお聞かせください。無理のない施術と日常の養生を一緒に考えていきます。



免責事項

本記事は、東洋医学および鍼灸マッサージによる一般的なサポートについて紹介するもので、診断や治療を代替するものではありません。症状が強い場合や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。


鍼灸指圧Sweep院長
鍼灸指圧Sweep院長

このブログの著者


水上 達郎

(Mizukami Tatsuro)

「本当に信頼できる鍼灸師」を目指して2011年から札幌の地で開業中




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