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便秘と鍼灸に出来る事

  • 執筆者の写真: tatsuro mizukami
    tatsuro mizukami
  • 7月22日
  • 読了時間: 4分

女性や高齢者に多くみられる『便秘』についてその症状や、原因、鍼灸にできることを記します。


前立腺肥大症の男性



便秘とは


便秘(constipation)とは病名ではなく体の状態を表す言葉で、本来体外に排出されるべき便が出にくくなったり、便の回数が減ったり、便が出てもスッキリしない状態のことです。





便秘の症状


便秘は単に排便回数が少ないだけではなく、排便時の残便感や不快感、腹痛なども含まれます。便秘の症状の目安としては以下のものが考えられます。


  • 排便回数が週3回未満

  • 便が硬くて出ない

  • 排便時に強くいきまないと排便できない

  • 排便後もスッキリしない(残便感)

  • 腹痛がある

  • 腹部膨満感がある

  • 食欲不振があり、吐き気や嘔吐を伴うこともある





便秘の原因


便秘の原因は大きく分けて食生活、生活習慣、病気、 薬の副作用などが考えられます。ご自分の便秘の原因を把握し、適切な対処をすることが重要です。


食生活

  • 水分不足=水分が不足すると便が硬くなり、排便が出にくくなります。

  • 偏った食事=極端な偏食も便秘の原因になります。

  • 食物繊維の不足=食物繊維は便の体積を増やし、腸を刺激して働きを活発にします。食物繊維が不足することで便秘になりやすくなります。



生活習慣

  • 運動不足=運動不足は腸の蠕動運動を鈍らせて、便秘を引き起こすことがあります。

  • 排便習慣の乱れ=便意を我慢する習慣は、排便反射を弱め便秘を誘発しやすくなります。

  • ストレス=ストレスは自律神経の働きを鈍らせ、腸の正常な働きを阻害する可能性があります。


病気による便秘

大腸癌、過敏性腸症候群、甲状腺機能低下症、糖尿病、パーキンソン病などの病気も便秘を起こすことがあります。


薬の副作用

抗精神薬や抗コリン薬、オピオイド系鎮痛剤などは便秘を起こすことがあります。



便秘かなと思ったら


便秘の中には病気が原因で起こっている場合があるため、今まで経験したことがない様なものや、症状が急激なものなどは病院での検査を受けた方がいいでしょう。


ただ全体として、ほとんどの便秘は器質的には問題がない機能性便秘に該当します。


機能性便秘は鍼灸治療の適応になります。



ストレッチをする女性
自分で出来る対処法

※ここで記す自分で出来る対処法は全ての人が必ず良くなるとは限りません。まずは少しずつ行ってみて、症状が悪化するようならやめましょう。少しでも良くなる、楽になるという実感を得られるなら継続して行う事で少しずつ症状が緩和されていきます。



対処法その1 - 食生活の改善


食物繊維が多く含まれた食べ物を多く食べることで便の量が増して腸の機能が正常化します。食物繊維を多く含む食べ物には、穀物、豆類、芋類、野菜、果物、きのこ類、海藻類などがあります。

水分不足も便秘の誘因になるので、水分を適度に取ることも有効です。


対処法その2 - 運動


ウォーキングやランニングなどの有酸素運動は自律神経の働きを整えることが期待できます。

また、腹筋の筋力が弱すぎると、腹圧が上がらずに便秘が慢性化することがあります。腹筋の筋トレも有効でしょう。



鍼灸マッサージに出来る事

鍼灸治療では自律神経の働きを整えて、腸の蠕動運動を正常化する効果が期待できます。

自律神経はその名のとおり自律的に働く神経で、自分で直接的にコントロールできない神経です。腸の動きもこの自律神経にコントロールされていて、ストレスなどに影響を受けて機能障害を起こします。その結果、便意を感じづらくなるなどの排便障害(便秘)が現れるのです。


鍼灸治療ではその自律神経を整える作用が期待でき、βエンドルフィンの分泌を促し、リラックス効果を高め、スムーズに排便できるように作用します。

また腹部を刺激することで、排便反射を誘発し、便意を導きます。


便秘でお悩みの方でセルフケアであまり症状が改善しない方や、薬の副作用が気になる方は鍼灸の施術を試してみることをお勧めします。


当院でも多くの方が改善を実感しています、是非お試しください。





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